大阪の布忍神社（ぬのせじんじゃ）の恋みくじは、現代美術のアーティスト、イチハラヒロコさんとのコラボレーション。イチハラヒロコさんの作品は、ユーモアをまといつつ心の隙間を貫くようなひと言を白紙に文字のみで表現するのが定番。恋みくじにも「男に抱かれる気配なし。」や「撤収。」など、心をわしづかみにされるひと言のみが書かれています。

「このおみくじを作ったきっかけは、“大吉”や“小吉”といった吉凶だけにとらわれている人があまりにも多かったから。本当に大切なのは何が書いてあるかなんです」。そう教えてくださったのは、布忍神社の宮司さん。

吉凶のないおみくじを作れないか考えていたところ、
「恋には100％のハッピーエンドも100％のバッドエンドもあり得ない。ということは大吉も小吉もない」と思いついたそう。そこで、元々ご縁があり、その作品に惹かれていたイチハラヒロコさんへ恋みくじ制作の依頼をすることになったそうです。

この恋みくじにはリピートする楽しみもあるとか。
「別々に引いたおみくじの言葉をつなげて考えると見えてくるものがあるようで、1度に2回、3回と引いて行く人や、1ヶ月に1度引きに訪れる人もいます」（同）。

おみくじは神さまの言葉を伝えるもの。深く読めば読むほど様々な意味にとらえられる神さまの言葉は、自分の気持ちを探るきっかけにもなりそうです。

恋の成就を願う女性たちの間では、近年すっかり有名になった東京大神宮（とうきょうだいじんぐう）。そもそも、神社での結婚式発祥の地であること、そして結びの働きを司る造化の三神である天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）、高御産巣日神（たかみむすびのかみ）、神産巣日神（かみむすびのかみ）が祀られていることから、縁結びに御利益のある神社として知られるようになりました。

その東京大神宮で、訪れる女性たちに密かにささやかれているのが「大吉が出ると3ヶ月以内にお付き合いする人ができる」というウワサ。そんなウワサをキャッチした矢先に編集部Nが大吉を引いてきました。大吉のおみくじには、「愛情運　幸福な日々が訪れます」との文字がキラめいていました。その1ヶ月後、ご利益を聞いてみると・・・。「中学校の同級生だった男の子とでかけた」とのこと。
さらに、「またでかける約束をした」（!!!）と、のたまっていました。

東京大神宮の恋みくじは、相性の良い星座や血液型を教えてくれるのが特徴。そして、Mのおみくじには「年令差　同じ年か、男性が二歳上がよい。」としっかり書いてありました。これがデートに当たるのか、付き合いが始まるかどうかは本人さえわかっていないようですが、「神さまはきっかけ作りをしてくださり、あとの進展は本人の心掛け次第」と考えると十分ご利益があったのではないでしょうか？

ちなみに、次のデートは神社めぐりだそう。ぜひ彼をさりげなく東京大神宮に誘って、お礼参りしつつより固い縁を結んで欲しいものです。

鴨川の水源地、貴船川沿いに建つ京都・貴船神社（きふねじんじゃ）の御祭神は、高おかみ神、奥宮は闇おかみ神（くらおかみのかみ）。水を司る神さまとして古くから信仰を集めてきました。本宮の前にある石垣からは、聖なる山である貴船山からわき出す御神水があり、一度も枯れたことがないと伝えられています。

この御神水におみくじを浮かべて占うのが、水占（みずうら）みくじ。何も書かれていないおみくじを選び、水に浮かて初めて浮き上がる字にご神託が書かれています。

水占みくじは恋みくじではありませんが、貴船神社は、平安時代の有名な女流歌人・和泉式部（いずみしきぶ）もお参りに訪れた縁結びの社。縁結びの神さま磐長姫命（いわながひめのみこと）が祀られる結社（ゆいのやしろ）や、本宮からは徒歩20分と離れますが奧宮も参拝すれば、きっと良縁へ導く言葉をいただけるでしょう。

ちなみに、本宮、奧宮、結社の順番でお参りするのがならわしだそう。それぞれに距離が離れており奧宮へはバスも走っていますが、ここは清冽な川の流れの傍らをゆっくり歩いてみてみてはいかがでしょうか。