神社のあれこれ

神社のあれこれ

神社のあれこれ

神社には様々なものがあります。本殿、拝殿、鳥居、狛犬、燈籠…。ここでは本来の意味やなぜそれが必要なのかをご説明しましょう。

鳥居があるのはどうして?

「鳥居がない神社はまずない」ということや「地図記号でも鳥居が使われている」ということからも鳥居は神社にとって大切なものだということがわかります。神社のシンボルです。

神社は神聖な場所なので、鳥居が外の世界との境界にあることで「ここから内側は汚してはいけない」ということを示しているのかもしれません。しかし、鳥居の起源は今のところ明らかになっていません。

古代の神道において、柱状にそびえたつものを神さまが降りてくる時に目印としていたことから「神さまの目印」や古代信仰において鳥が神さまの乗り物だったことから、鳥居が「鳥の象徴」だという説もあるようですが、解明はされていません。

鳥居の基本構造

じつは鳥居には数多くのバリエーションがあります。大別すると神明系と明神系の2系統があり、明神系のほうが、装飾性が強いのが特徴です。

鳥居から社殿に続く道を参道と言いますがその中央は、正中といって神の通り道とされるので、避けて歩くのが作法とされています。

→詳しくは鳥居の種類の豆知識

本殿と拝殿はどう違うの?

結論から先にいうと、神さまが鎮座されている建物が本殿(正殿)で、参拝のための建物が拝殿です。

しかし、すべての神社に本殿と拝殿があるのかというと必ずしもそうではありません。たとえば、奈良県の大神神社には本殿がありません。これは三輪山を神体としているためで、参詣者は拝殿からお山に向かって拝礼することになります。

一方、小さな社では拝殿などはなく、神体を納める本殿だけというところも少なくありません。

このように神社によって本殿・拝殿があったりなかったりするのは、社殿が造られるようになるまでの歴史が大きくかかわっています。

もともと神道の祭祀空間には常設の建物は建てられていなかったと考えられています。これは、神さまは神社のような場所に常住するとは考えられていなかったからです。

こうした神道祭祀に変化をもたらしたのは、仏教の伝来でした。

壮麗な建物を建立する外来の宗教の到来に対抗するには、「神社にも常設の社殿が必要だ」と祭祀者たちは考えました。しかし、当時の最先端技術を駆使した寺院建築とは対照に神道祭祀者たちはあえて
古代の建築様式を神さまの館に選んだのです。

狛犬がいるのはなぜ?

神社でわれわれを迎えてくれるのが狛犬。ときには愛嬌さえ感じますが、彼らにもちゃんと役割があります。

悪しきものが入らないように見張っているのが狛犬。狛犬は犬の字はついているけれど本当に犬なのでしょうか?じつは狛犬と呼び慣わされているけれども、右と左は別の生き物だとする説があります。頭に角があって口を閉じているのが狛犬で、角がなく口を開いているのが獅子だという説です。(開口を「阿形(あぎょう)」、閉口を「吽形(うんぎょう)」ともいう)狛犬は空想上の動物で、その名前も「高麗犬」つまり「外来の動物」と言えます。

→詳しくは狛犬のルーツの豆知識

燈籠があるのはなぜ?

神社のみならず、お寺さんでもよく見かける石燈籠は、日本的風景のアクセントでもあります。しかし、燈籠は仏教に起源をもつものなのです。

仏教において燈明は重要な供物とされてきましたが、神道はむしろ闇を大切にする宗教でした。くらやみ祭」といった名前が残っているように、お祭りの最重要な儀礼は深夜の浄闇のなかでおこなわれることが多かったのです。

しかし、闇を大切にする神道でも仏教の影響で燈籠が増えていきました。これは神仏の習合が進み、神社にも仏教的な建物が建てられたり、仏教的な儀礼がおこなわれるようになり、神社の境内にも燈籠が採り入れられるようになったためです。たとえば、奈良県の春日大社には多くの燈籠があるのですが、これは、万燈籠という仏教起源のお祭りをおこなうためなのです。

ちなみに、境内における燈籠の立て方としては、堂・社殿の前に大きなものを一基だけ置くというのが古い形式です。

→詳しくは燈籠の豆知識

タイトルとURLをコピーしました