2010.12 冬だけの楽しみ、雪の上の椿観賞へ

冬だけの楽しみ、雪の上の椿観賞へ

冬の景色に彩りを添える椿の花

雪が積もった翌朝は、早起きして椿を見に出掛けませんか?

弦音にほたりと落る椿かな(漱石)

赤い椿白い椿と落ちにけり(碧梧桐)

俳句に詠まれているように、花ごと散る姿が印象的で、純白な雪の上に落ちた椿の花は、見飽きない美しさがあります。

見頃は、早咲きの品種が11月頃、遅咲きの品種が4月頃と、とても長く、寒い季節に目を楽しませてくれる貴重な花のひとつ。俳句の世界では、「木」に「春」と書くことからもわかるように春の季語とされています。

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「椿は武士に嫌われた」の説はホント?

花の終わりが打ち首を想像させるため武士に嫌われた、といわれるため不吉な花という印象を持っている方もいるかもしれませんが、実は幕末以降に広まった俗説。

冬の茶席には欠かせない花のため、茶道を精神鍛錬の場としていた武士が椿を嫌ったとは考えにくく、実際、江戸時代には武士を中心に椿ブームが起こったといわれています。

「椿=武士が嫌う花」の俗説は、椿ブームが加熱しすぎたため人心が乱れるとして幕府が噂を流したとか、明治以降に牡丹愛好家が椿人気を妬んだための俗説だとか言われていますが、噂の出どころはわかっていないようです。

ただ、咲いている姿も凍った地面に落ちる姿も美しいのは、万人の認めるところ。痺れるような寒さのなかに咲く椿は、境内散策の楽しさを増してくれるでしょう。

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