夏から秋の花さんぽ

春日山神社と高田公園の蓮まつり

日が高くなるとともにゆっくりと花開く蓮は、夏の朝を象徴する花。新潟県上越市は、蓮のお花見とお城巡りを同時に楽しめる町。
蓮の花が咲くのは、高田公園にある高田城の外掘り。東洋一と呼ばれるのにふさわしい一面の蓮が水面を埋め尽くします。明治4年(1871)、戊辰戦争に加え大凶作に苦しむ高田藩で、大地主が私財を投じてお堀にレンコンを植えたのが一面の蓮の始まり。
ほとんどは和蓮ですが、西掘北側では世界各種の蓮も見られる趣向になっています。高田城は松平忠輝公の居城として慶長19年(1614)に築かれたもので、復元された三重櫓に入ることもできます。そしてもうひとつ、高田市には城跡があります。
それが、春日山神社(かすがやまじんじゃ)のそばに残る春日山城趾。春日山山頂にあることから、難攻不落の城とされ、上杉謙信の城としても知られています。復元はされていないものの、城跡からは海まで見渡す抜群の眺めが楽しめます。城内の春日山神社は、上杉謙信公を御祭神に祀った神社で、創建したのは童話作家・小川未明の父である旧高田藩士小川澄晴。隣接する春日山神社記念館には、謙信公の遺品や資料が残され、境内には小川未明の石碑や童話をモチーフにした石像を見ることができます。
日本の暮らしに寄り添うハギの花

7月から9月までと長く花を楽しめるのが、ハギの花。「萩」に「秋」という字を含むことでもわかるように最盛期は9月。
万葉集にも数多く歌われ、中秋の名月に、ハギの花を団子やススキと一緒に供える風習もあり、日本の暮らしに深く寄り添ってきた花です。
今は、ハギが好む小川などの水辺が減り、庭木としても減ってしまったため市街地では徐々に見ることが難しくなりつつあります。
自然が大切にされてきた神社では、まだその小ぶりな愛らしい花が残されているところもありますので、ハギを探しに境内を訪れてみてはいかがでしょうか?