絵馬の歴史の豆知識
古代には、馬は神聖視されていた
「大学絶対合格!」「○○君と両思いになれますように」こうした願いごとを書いて神社に奉納(ほうのう)する五角形の小さな板を「絵馬」と呼びます。多くの方が一度は奉納された経験があるのではないでしょうか。同時に、「あの板をなぜ絵馬と呼ぶのか?」「馬とどんな関係があるのか?」という疑問も抱かれたのではないでしょうか。
馬は5世紀ごろに大陸からもたらされました。時代区分でいえば古墳時代のころ。乗馬して闊歩(かっぽ)したのは権力者層で、豪華な馬具で飾り立てられた馬は、権力の象徴であり畏怖の対象でした。その辺の事情は、古墳時代の墓から出土する馬の埴輪が物語っています。
こうした中で馬は、しだいに神さまの乗り物と考えられるようになり、「神馬」として神聖視されるようになりました。こうした意識はやがて、願い事をする時、馬を神さまに捧げる風習を生むようになります。しかし馬を神さまに捧げるというのは無理な話です。したがって馬が絵馬に変わって、今日に至っているということです。