お札・お守りの豆知識
お札を貼る風習はいつ、どこで始まったのでしょうか?
お札に関しては、「大祓大麻(おおはらいたいま)」(御祓大麻とも)が始まりと考えられています。大祓大麻は伊勢神宮が発行したお札です。平安時代の終わりごろに生まれ、鎌倉時代、伊勢神宮の御師(各地を回る宗教指導者)によって日本列島の随所に広められ、庶民の伊勢参りをうながしました。明治に入ると「神宮大麻」と名前が変わりましたが、現在でも全国各地の神社で頒布され、もっともポピュラーなお札となっています。
神宮大麻以外では、熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)が発行する除災のお札「牛玉宝印(ごおうほういん)」も有名です。屋内などに貼るお札と違い、お守りは携帯する護符です。発生時期はお札と同時期と思われますが、携帯するというスタイルをとった要因については、意見が分かれています。
参考までに紹介すると、
- 勾玉説=古代人が神の守りを得るために身につけていた勾玉がルーツ
- 密教説=平安時代の密教(呪術色の濃い仏教)の隆盛にともない、外出のとき護符を首から下げて携帯したのがルーツ
などの説があります。
なお、お守りは携帯できる点から、現在では良縁・安産・交通安全など、個人的な祈願に特化したものが好まれています。