神社でのおみくじについての豆知識

神社でのおみくじについての豆知識

「四条天皇崩御の報せを受けた第三代執権の北条泰時(ほうじょうやすとき)が鶴岡八幡宮でおみくじを引いて、後継の君を決めた」

これは南北朝の時代に成立したとされる、『増鏡(ますかがみ)』という歴史物語中の記述です。1242年に鶴岡八幡宮で天皇を決めるのにおみくじが引かれました。これが神社でおみくじを引いた、初期の例の一つとされています。また、時代が下がって室町時代の中ごろには、将軍・足利義持(あしかがよしもち)の急死に際して、次期将軍決定のためのくじ引きが、京都の石清水八幡宮でおこなわれ、足利義教(あしかがよしのり)が第六代将軍の座を射止めています。以後、神社とおみくじは切っては切れない関係になりました。こうなった背景には、神さまの眼前でくじ引きをおこなうことで、神意をより正確に把握するという目的があったのではないでしょうか。

現代でもおみくじは、老若男女を問わず人気があります。おみくじには運勢の概要が「大吉、中吉、小吉、吉、凶」(多いところでは「大吉、中吉、小吉、吉、半吉、末吉、末小吉、凶、小凶、半凶、末凶、大凶」)という言葉によって書かれています。

ところで、おみくじは単なる吉凶判断ではありません。あくまで神意の表われで、今後の生活に活かすべきものです。だから、大吉が出たら油断大敵。「あとは下がる」と考えて気を引き締めるべきですし、凶が出たら「自分を見つめ直すチャンスをもらった」と考えて、新たな出発点とすれば良いのではないでしょうか。

読み終えたおみくじを境内の樹木に結びつけるのもいいですが、神さまからのメッセージとして自戒の意味で持ち歩き、新しいおみくじを引いた時、神社に納めるのが最良のやり方だと思います。

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