上棟祭の豆知識
屋根のもっとも高い部分を「棟」と呼びます。棟ができたことは、その建物の骨格部分の完成を意味しています。この時おこなわれるのが、神々を招いて感謝をささげるとともに、よりいっそうのご加護を祈願する上棟祭です。現在では、神職がおこなうことが多いのですが、かつては建築にたずさわった大工の棟梁がとりおこなっていました。
上棟祭では屋船久久遅命(やふねくくのちのみこと)が招かれることが多くあります。建築と縁の深い神さまです。もちろん、その土地の神さまである産土神も招かれます。儀式は散供までは地鎮祭とほぼ同様に進み、曳き綱の儀と、槌打ちの儀に至ります。曳き綱の儀は棟木を棟に上げる儀式で、槌打ちの儀は棟木を棟に打ちはめる儀式です。
この2つが終わると、散餅銭(さんぺいせん)の儀がおこなわれます。これは小銭や餅などを撒いて福を分け与えると同時に、除災招福を祈願する儀式です。なお、建物が完成したのちに竣工祭をおこなうことも多くあります。入居前に建物を清め、神々に安全を祈る儀式であり、新室祭(にいむろさい)とも呼ばれます。