神前結婚式の豆知識
神前結婚式の歴史は意外に新しいのです。
神前結婚式の誕生は、明治33年(1900年)、皇太子(のちの大正天皇)と九条節子姫(のちの貞明皇后)の結婚式が、新聞紙上で報道されたことに端を発します。それまで結婚式は、各家庭でとりおこなうのが一般的だったのですが、翌年、この機運に応じる形で模擬神前結婚式が行われます。
主催者は、伊勢神宮の崇敬団体である財団法人神宮奉斎会の国礼修行部。同会の第3代会長・篠田時化雄さんが神前結婚式の経験者だったこともあって、神前結婚式の普及を目的に、明治34年3月3日、日比谷大神宮で模擬結婚式をおこないました。
日比谷大神宮は、現在、千代田区富士見にある東京大神宮の前身となった神社で、関東大震災で焼失するまで、有楽町の大隈重信別邸跡にありました。主祭神は天照大神と豊受大神(とようけのおおかみ)。神宮奉斎会の本院だったこともあり、現在では「東京のお伊勢さま」と呼ばれ、縁結びの神さまとして幅広い信仰を集めています。