神社分布の豆知識
神社数第1位の八幡神社の神社は、全国にまんべんなく分布しています。
第2位の伊勢神社の神社は、中部・北陸・関東に多く分布しています。
天神神社の神社は、関東や中部にもあるものの、中国・四国・九州の割合が高くなっています。九州は菅原道真が配流された地であるために高いのでしょう。また、中国地方には、道真が大宰府まで行く途中に立ち寄ったなどという由緒をもつ神社が多いといわれます。
稲荷神社は、東日本に多い傾向があります。とくに東京では、神社名第1位で突出しています。江戸時代以降に商売繁盛・殖産興業の神さまとして増えたといわれます。
熊野神社も東日本に比較的多くみられます。黒潮に沿った愛知や千葉に多いのは、海上交通に関係していると思われています。そして、福島・山形・新潟の多さは、修験道(しゅげんどう)のつながりがあるためでしょう。
1県または数県だけに突出した神社数をみせる一極集中型の分布をもつ神社もあります。鹿島神社は茨城県の鹿島神宮を総本宮としていて、全国の神社総数約600社のうち、約半数が茨城県にあります。大歳神社は、大歳神 (大年神)という穀物の神さまを祀っており、全国約550社のうち、じつに70パーセントが兵庫県内に集中しています。
新潟県と長野県でとくに多いのが、諏訪神社で、この2県で約半数を占めています。
貴船神社は福岡県と大分県で突出しており、約半数となります。ほかには、香取神社(千葉・茨城・埼玉)、秋葉神社(岐阜・愛知)、荒神神社(兵庫・岡山・広島)などがあります。
山岳神社にも特徴があります。富士山を神とする浅間神社は、東海・関東・中部の富士山が見える地域に多く、石川・福井・岐阜にまたがる白山を崇敬する白山神社では、前記3県に新潟・愛知を加えた5県で、著しい集中が見られます。