傘も花咲く アジサイ見物

本もののアジサイの花を探して
アジサイの花に見える部分は、実は花ではなく萼(がく)だといいます。
ふつう萼とは、花の一番外側にある緑色の部分です。しかし、アジサイの萼は、なぜか花びらのように大きく美しく進化を遂げ、装飾花とも呼ばれるようになりました。
では、本物の花はどこにあるのでしょうか?

萼に近づいてよく見てみると、中央に7ミリほどの大きさの花がいくつも咲いています。中には萼をかき分けなければ見えない品種も。誰の目にも留まらないほど小さいものの、きちんと可憐な花の形をしています。これがアジサイの真花。
気象庁では梅や桜と同じように、アジサイの開花も観測していますが、萼ではなく真花で観測しています。アジサイが花の見頃をむかえているように見えて、実は真花はキュッとつぼみを閉じていたりします。アジサイを見るときは、真花にも注目してみてください。
古都に咲く、「アジサイの宮」
藤森神社(ふじもりじんじゃ)は、古都・京都のアジサイの名所の一つ。6月上旬から約1カ月にわたり開苑する二つのアジサイ苑があります。
境内を埋め尽くすように咲くアジサイは、ヤマアジサイ、ガクアジサイのような代表的な品種から、アメリカ原産のアナベルまで40種類、約3500株。
6月15日にはアジサイ祭も開催され、献花、献茶、神楽の奉納などがおこなわれます。
梅雨時のおでかけは億劫になりがちですが、アジサイは晴天よりも雨天のほうが美しく見えるもの。
しっとり濡れて華やかに咲く姿を、見物にでかけてみませんか?

アジサイが咲く神社
- 栃木・那珂川町/鷲子山上神社・とりこのさんしょうじんじゃ
- 栃木・栃木市/太平山神社・おおひらさんじんじゃ(アジサイ祭6月中旬)
- 東京・文京区/白山神社・はくさんじんじゃ(文京アジサイまつり6月上旬~中旬)
- 神奈川・鎌倉市/鶴岡八幡宮・つるがおかはちまんぐう
- 群馬・太田市/冠稲荷神社・かんむりいなりじんじゃ(宮の森紫陽花まつり6月中旬~7月上旬の日曜)
- 京都・北区/平野神社・ひらのじんじゃ
- 京都・西京区/松尾大社・まつのおたいしゃ(アジサイ苑)
- 兵庫・姫路市/安志加茂神社・あじかもじんじゃ(アジサイ園)
- 福岡・福津市/宮地嶽神社・みやじだけじんじゃ
- 福岡・福岡市/筥崎宮・はこざきぐう(アジサイ苑)