2012.08 津島神社の二大名物「あかだ」と「くつわ」

津島神社の二大名物「あかだ」と「くつわ」

驚くほど硬くてじんわりおいしい 不思議な名前の参道おやつ

丸いお団子状のものが「あかだ」。
輪っかになったものが「くつわ」。

「あかだ」「くつわ」。その名前を聞いただけで、頭に「?」マークが浮かんでしまうのでは?

名前からまったくどんな食べ物か想像がつかないこの名物は、愛知県津島市に鎮座する津島神社(つしまじんじゃ)の参道のおやつ。

「あかだ」と「くつわ」は、別々の商品ですが、びっくりするほど硬いことと米粉を揚げているのが共通点。甘みの無い「あかだ」は米粉の団子を、「くつわ」はうるち米ともち米を混ぜてこねて蒸し、砂糖を混ぜて細い棒状にしたものを丸めて揚げたもの。

ではなぜ、こんなに不思議な名前がつき、この二つが津島神社の名物になったのでしょうか?

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朱色の鳥居をくぐると重要文化財の楼門が見えてきます。
天正19年(1591)に豊臣秀吉が寄進した楼門を始め、歴史ある社殿群。

その昔、津島神社は、津島牛頭天皇社(つしまごずてんのうしゃ)と呼ばれていました。

欽明天皇元年(540)に織田信長が氏神として造営に協力して創建。豊臣秀吉も楼門を寄進したり、秀頼が秀吉の病気平癒を祈願して南門を寄進したりと、誰もが知っている歴史上の有名人にもゆかりがある由緒ある社です。

「あかだ」は、その昔から行われていた春秋の県祭(あかだまつり)のお供え米を使って作られ、悪病平癒の薬として頒布したのが始まり。地元の民家がこれを真似て作るようになったものが今も伝わっています。一節には、弘法大師が悪病退散の祈願をこめて米団子を供えたともいわれるありがたいお菓子です。名前の由来は、県祭からとも赤団子が略されたとも、果ては梵語の「阿伽陀」からきているともいわれています。

一方「くつわ」は、江戸末期に茅の輪の形を真似て作られたもの。語源は馬のくつわや茅の輪から来ているようです。砂糖が入っている「くつわ」は、人気になり「あかだ」を追い越すほどの生産量になったそう。

最盛期から店の数は減りましたが、今も3軒の店が「あかだ」「くつわ」を販売しています。コリコリと硬い歯ごたえは、噛みしめるほど香ばしさと旨味がじんわり感じられ、クセになる味わい。素朴さを楽しむ気持ちでお試しください。

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