神社の境内にあるお寺の豆知識
神社の境内にはお寺はないと思われるかもしれませんが、これは現在の状況であって、江戸時代以前はまったく違っていました。
奈良県の大神神社や大分県の宇佐神宮のように境内にお寺があったことがわかっている神社は多くあります。
石清水八幡宮(京都府)や鶴岡八幡宮(神奈川県)はかつて正式名称を石清水八幡宮寺・鶴岡八幡宮寺と言って、お寺としての性格を濃くもっていました。八坂神社(京都府)も、祇園社または感神院(かんじいん)といい、仏教色の強い社でした。
一般の神社においても仏像が社殿に安置されているのはごく普通のことであったし、境内に観音堂や石仏があることもめずらしくありませんでした。仏教を忌避し、僧の参拝が許されなかった伊勢神宮(ただし、カツラをかぶれば参拝できた)でさえも、その周辺には多くの寺院が存在していました。