花の少ない夏の時季に、得も言われぬグラデーションで目を楽しませてくれる蓮の花。7月中旬から8月中旬まで長く開花します。
よく似た花に睡蓮がありますが、睡蓮は池に浮かぶように咲くのに対し、蓮は茎を伸ばし水のつかない位置に花をつけます。
泥水を吸い上げながらも、美しい花をつけることから花言葉は「清らかな心」。汚れのない花は、午前中にのみ咲き、午後には閉じてしまうので蓮を見るのは午前中、なるべく早い時間帯がおすすめです。
上野恩賜公園は、明治6年に日本初の公園として整備されました。江戸時代は上野寛永寺(当時は東叡山寛永寺)の境内でしたが、徳川将軍の菩提寺を兼ねて歴代将軍の霊廟も造営されていたことから、明治政府により官有地となり市民に開放されることになったのです。
蓮の咲く不忍池は江戸時代には浮世絵にも描かれた江戸の名所。江戸っ子たちの憩いの場は、現在に受け継がれ蓮が咲く夏の朝には多くの人が蓮見に訪れています。
蓮の花を楽しんだら、池の北側にある上野東照宮(うえのとうしょうぐう)にも立ち寄ってみましょう。徳川家康公を祀る東照宮らしい豪華な建造物のなかでも、金色に輝く金色殿は必見。江戸初期の建築として国の重要文化財に指定され、徳川幕府の当時の威光を感じられます。