屋島は、香川県を代表する観光地のひとつ。アート県らしいおしゃれな回廊型展望スポット「やしまーる」を始めとする展望スポットや源平合戦古戦場跡や屋嶋城跡などの歴史スポット、ハイキングを楽しめるルートなど、さまざまな楽しみ方ができるエリアです。屋“島”というと島のようですが、実は屋根の形をした溶岩台地。そのため、電車&バス、車で気軽にアクセスできるのも魅力となっています。
その屋島の麓にあり、讃岐うどんとセットで参拝したいのが屋島神社(やしまじんじゃ)です。
創建は、慶安4年(1651年)。高松藩の初代藩主、松平頼重が徳川家康公の神廟を建立したのが始まりです。その後改称し現在地へ移転。それ以来、風光明媚な屋島の地で崇敬を集めてきました。
「讃岐東照宮」とも称される境内は、長い石段の先に広がっています。階段を上がった先にあるのは、カラッと開けたスペースで、さらに階段を上がると左甚五郎の末裔が棟梁を勤めた神門が。日光の東照宮のような絢爛さはないものの細やかな彫刻は、生き生きとした動植物が浮き上がっています。拝殿はこの門の向こう。門の前で参拝して振り返ると、境内と街を見渡す眺望が広がります。
一宮のような大きな神社らしい見応えがあるわけではなく、鬱蒼とした鎮守の森に聖域らしさを感じられるわけではないのですが、この景色は爽快です。まるで、瀬戸内海の爽やかな風を感じて、さっぱりすっきり心が洗われるよう。ちょっと心が疲れたときに、息をきらして階段を上がり、参拝して景色を楽しむ。そんな心の拠り所になりそうな神社なのです。
屋島神社のすぐ目の前にあるのが讃岐うどんの店、本家わら家。江戸時代末期の藁葺き屋根の民家を使った昭和50年創業の老舗うどん店です。
こちらのおすすめは、何と言っても釜揚げうどん。「釜揚げうどんの美味しい店はなかなかないが、ここは間違いなし!」と食通の地元の知人が太鼓判を押す名店です。
釜揚げうどんは、うどんを釜湯とともに直接器に移したもののこと。普通のうどんのように水で締めないので、麺が柔らかくなりがち。そのため美味しい釜揚げうどんを作るのは難しいそうです。しかし、こちらの麺は、コシはしっかり、喉越しはつるっつる。香川県産のいりこと利尻産昆布を使った秘伝の出汁との相性も抜群です。
オーダーしたのは2人前の特大うどん1200円。大きなたらいに入ったうどんをシェアするスタイルなのが、鍋を囲むような楽しさがあります。もちろん一人で食べ切れる量の釜揚げやざる、生醤油のうどんもあるのでお好みでチョイスしてみてくださいね。