2023年最初の食神社でご紹介するのは、東京・南千住の石浜神社(いしはまじんじゃ)。JR常磐線、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスの南千住駅から徒歩15分ほどの場所に位置しています。
およそ1300年の歴史があり、文治5年(1189年)には源頼朝から奥州征伐の必勝祈願のために社殿を寄進され、関八州の武将から崇敬を集めた歴史もある神社です。
残念ながら当時の社殿は残っていませんが、隅田川沿いの境内は空が広く、隅々まで掃き清められ清々しい空気が漂っています。御祭神の天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大御神(とようけのおおみかみ)に一年の福を願ったあとに注目したいのは、境内に合祀されている真崎稲荷神社と境内カフェ「石濱茶屋 楽」。
江戸時代の真崎稲荷神社は、眺望のよい景勝地。門前には、食道楽で知られる滝沢馬琴も通ったという「甲子屋」「川口屋」などの茶屋が並び、豆腐田楽が名物とされていました。この豆腐田楽がいただけるのが「石濱茶屋 楽」です。
豆腐田楽とは、豆腐を串に刺して味噌をつけて焼いたもの。「石濱茶屋 楽」の豆腐田楽は2本で400円。ほどよく焼き色のついた豆腐の上に3種類の味噌とあられがのっていて、参拝したあとにいただくのにぴったりです。
ほかにも、ご飯メニューやアルコールも充実していて、ディナーも営業しているので使い勝手バツグン。コーヒーにもこだわりがあり、日本のコーヒー界の伝説的な店「バッハ」の豆を御神水でいれています。「バッハ」オーナーご夫婦もコーヒーを飲みに訪れているそうなので、味は折り紙つき。
江戸時代の名物メニュー豆腐田楽やコーヒーで一服するもよし、ごはんを食べに行くのもよしの境内カフェは、歴史ある神社の参拝にさらに楽しみを加えてくれそうです。