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2023.01
お江戸の名物で一服
石浜神社と田楽豆腐

「江戸名所図会」にも登場する
隅田川沿いの神社へ


2023年最初の食神社でご紹介するのは、東京・南千住の石浜神社(いしはまじんじゃ)。JR常磐線、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスの南千住駅から徒歩15分ほどの場所に位置しています。
およそ1300年の歴史があり、文治5年(1189年)には源頼朝から奥州征伐の必勝祈願のために社殿を寄進され、関八州の武将から崇敬を集めた歴史もある神社です。


隅田川のお散歩がてら参拝するのもおすすめ。白鬚橋のたもとに位置しています。

残念ながら当時の社殿は残っていませんが、隅田川沿いの境内は空が広く、隅々まで掃き清められ清々しい空気が漂っています。御祭神の天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大御神(とようけのおおみかみ)に一年の福を願ったあとに注目したいのは、境内に合祀されている真崎稲荷神社と境内カフェ「石濱茶屋 楽」。
江戸時代の真崎稲荷神社は、眺望のよい景勝地。門前には、食道楽で知られる滝沢馬琴も通ったという「甲子屋」「川口屋」などの茶屋が並び、豆腐田楽が名物とされていました。この豆腐田楽がいただけるのが「石濱茶屋 楽」です。


浮世絵上部に見えるのが有名な「甲子屋」があった真崎稲荷神社。絵の人物は歌舞伎『碁太平記白石噺』の名場面に登場する吉原の揚屋の主人・大黒屋惣六。吉原では“甲子”の日に大黒講がおこなわれたことから、“大黒屋”と甲子屋の“甲子”をかけて真崎稲荷神社とともに描かれています。

豆腐田楽もごはんも楽しめる、憩いの境内カフェ


豆腐田楽とは、豆腐を串に刺して味噌をつけて焼いたもの。「石濱茶屋 楽」の豆腐田楽は2本で400円。ほどよく焼き色のついた豆腐の上に3種類の味噌とあられがのっていて、参拝したあとにいただくのにぴったりです。


豆腐田楽は写真映えも◎。

ほかにも、ご飯メニューやアルコールも充実していて、ディナーも営業しているので使い勝手バツグン。コーヒーにもこだわりがあり、日本のコーヒー界の伝説的な店「バッハ」の豆を御神水でいれています。「バッハ」オーナーご夫婦もコーヒーを飲みに訪れているそうなので、味は折り紙つき。
江戸時代の名物メニュー豆腐田楽やコーヒーで一服するもよし、ごはんを食べに行くのもよしの境内カフェは、歴史ある神社の参拝にさらに楽しみを加えてくれそうです。


写真は平日限定の日替わりランチメニュー、和プレート1280円。冬季限定で、お肌がぷるぷるになるほど素材と味にこだわった濃厚鶏白湯鍋1人前1480円も。