パスポートや皇室の紋章に使われる菊は、日本の秋を代表する花。
日本原産と思われがちですが、もともとは中国から平安時代に伝わったとされています。平安時代以降は、宮中など高貴な人々のあいだで長く愛されてきましたが、庶民文化が花開いた江戸時代には菊の園芸ブームが到来。
歌川国輝や喜多川歌麿など、今に伝わる著名な浮世絵師も菊とそれを楽しむ人々を描き、園芸品種を披露する菊大会などのイベントも開かれ菊見が秋の風物詩として親しまれることになったのです。
秋になると各地の神社で菊花展が開かれていますが、なかでもおすすめなのが茨城県笠間市にある笠間稲荷神社(かさまいなりじんじゃ)とその周辺で開かれている「笠間の菊まつり」。
“日本最古の菊まつり”ではありますが、写真映えする現代的な取り組みもあるのが魅力です。例えばカラフルな菊でいっぱいの菊花手水舎や大鳥居の先の参道の空を彩るアンブレラスカイ、壁一面に和傘が飾られた絵馬殿など、菊の知識がなくても楽しめるスポットが多数。
もちろん、菊の品評会や園芸家たちが丹精込めて育てた菊の展示もあり、華やかに咲き誇るさまざまな菊を楽しめます。
今年、’22年11月23日(祝)には、稲荷社の神使である狐にちなんだ狐の仮装行列も。街全体が菊で盛り上がる笠間で、秋の休日を楽しみましょう。