これだけは知っておきたい神社のこと・神社の情報・検索サイト 神社.com


2022.04
春の大磯で楽しむ
神社さんぽと生しらす

神話の時代から時を紡ぐ穴場神社へ


神奈川県の海沿いの街・大磯は、吉田茂、伊藤博文など政財界の要人の別荘が多くあった避暑地としての歴史を持つ街です。
この街を太古から見守ってきたのが高来神社(たかくじんじゃ)。東海道本線の大磯駅から2kmほどの場所に高麗山がありそのふもとに神社が鎮座しています。


太古から神宿る山として信仰されてきた高麗山。

創建年は明らかではありませんが、神功皇后が三韓を討ったのちに神皇産霊神(かみむすびのかみ)と三韓の神さまである高麗大神和光(こまおおかみわこう)が祀られて平和が祈られたことから、少なくとも三韓討伐後には創建されていたと考えられています。神職の方にお話をうかがうと「神皇産霊神が高麗山に埋葬されていることも考えられるのでは」とのこと。神皇産霊神といえば、天地開闢のときに最初に現れた造化の三神の1柱。古墳にも似たキレイな円錐形の高麗山を見ていると、さもありなんと思えてきます。
さらに、江戸時代には上野寛永寺直轄の寺院だった歴史もあり、参勤交代の大名は下馬してこの地を通過したという歴史も教えていただきました。


提灯には葵の御紋があり、寛永寺直轄寺院としての歴史を感じられます。

境内には、神さまに捧げる霊水が湧き、水神さま、龍神さまに水をかけるとツキがいただけるというスポットも。また、神社から徒歩5分ほど登ると大磯の街と海を一望にできる見晴台もあります。山好きなら、神社から続くハイキングコースで自然を楽しむのもおすすめです。


境内に湧く霊水。柄杓で水をかけてツキを呼び込みましょう。

大磯の春の味覚、大磯港・生しらすの直売所へ


高麗山をあとにしたら、大磯港へと向かってみましょう。大磯港はしらす漁をおこなう網元の直売所があり、朝揚がったものを販売しています。
今回訪れた直売所は松道丸。大磯港からもっとも大磯海水浴場寄りの場所に位置しています。直売所では、明るくて元気な女性スタッフがお出迎え。取材日はわずかな量しか捕れなかったとのことですが、なんとか1パックを購入できました。足の早い生しらすは鮮度が命。直売所の生しらすは、ぷりっぷりで苦味もなく新鮮さはバツグン。こちらのお店は、しらすの沖漬けや干物もおいしいのでクーラーボックス持参でぜひお試しください。
生しらすを購入したら、なるべく早めにいただきたいところ。おすすめはすぐ横の大磯海水浴場の砂浜でのピクニック。まだ海開き前のゆったりとした砂浜で、ごはんとお醤油持参で、セルフしらす丼をいただいて大磯の春の味覚を楽しんでみてください。


松道丸のスタッフの方いわく、水を切ってから氷の上にザルでしらすを載せ、ラップをしておくと苦味が出にくく美味しく保存できるそう。

水色の建物が目印の松道丸。おでかけの際はInstagramの「matsumichimaru」からその日の漁の様子を確認の上、電話で予約するのが確実です。