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特集 vol.290
混雑を避けて古都の雰囲気を満喫
京都の神社で初詣
京都で初詣をしたいけれど、混雑はイヤ、という方に向けて、穴場限定の初詣先をご紹介します。密を避けつつ、京都らしい風情をゆったり感じてみませんか?

【京都・京都市右京区/野宮神社】
初詣デートにもおすすめ! 嵐山の縁結びの社へ


やはり京都らしい風情のあるスポットへ行きたいという方にご紹介するのは、風光明媚な観光名所・嵐山の竹林の小径の中にある野宮神社(ののみやじんじゃ)です。


野宮神社は嵐電嵐山駅から徒歩7分ほど。竹林の小径に入りしばらく歩くと、右手に神社が見えてきます。

コロナ禍以前の嵐山は、渡月橋を渡るのに30分待ち、竹林の小径も満員電車のように人がぎっしり、という混雑ぶりでした。
現在は、外国人観光客がいないこともあり、12月の紅葉シーズンでも渡月橋も立ち止まることなく渡れたという人が多く、そこまでの混雑は見られないようです。お正月に嵐山を楽しむなら、2022年がチャンスかもしれませんね。

野宮神社の方に例年の参拝者数をうかがってみるとは、カウントはしていないものの2020年は10万人程度、2021年は1万人程度だったと思われるとのことでした。また、元旦の午前0時と正午は混雑するものの、三が日全体では参拝待ち時間は20分程度だとのこと。それでも2時間待ち、3時間待ちもある伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)や北野天満宮(きたのてんまんぐう)に比べると、列に並ぶ時間は少なく、ほかのスポットをめぐる余裕もありそうです。

そんな野宮神社は、その昔は伊勢神宮にお仕えする女性皇族が身を清めるために滞在するための場所でした。清らかな場所を選んで聖地として守られてきたため、いまも嵐山の中心地にあるとは思えないほど静謐な雰囲気が漂っています。
縁結びの神さま、子宝安産の神さまとしても知られており、境内にある亀石を、願いを唱えながらさすれば1年以内に願いがかなうという言い伝えも。デートや女性にぜひ訪れていただきたい場所です。


雪の日の参拝も幻想的でおすすめです。

【京都・京都市左京区/貴船神社】
京都の奥座敷で迎えるお正月


京都の初詣スポットのなかでも混雑を避けられるのが貴船神社(きふねじんじゃ)。天武天皇(約1300年前)の御世にはすでに社伝が残されている、京都でも屈指の古社です。
三が日の参拝者数は、市中の神社のなかでもかなり少なめ。貴船神社の方にうかがうと、「他社とくらべて空いているので、大晦日22時から元旦8時前後までは混雑しません」とも教えていただきました。


騒々しさとは無縁の貴船神社の初詣。

貴船神社があるのは、京都の奥座敷といわれる貴船エリア。
貴船山と鞍馬山のあいだの山中にあり、すぐ横には鴨川の源流・貴船川が流れています。貴船神社を訪れると感じるのが、空気のみずみずしさ。山と川からあふれでるような濃厚な水の気配は、慌ただしさを感じる中心部とは別世界です。それもそのはず、本宮の御祭神の高龗神(たかおかみのかみ)は、水の供給を司る水の神さま。全国に約2000社ある水神の総本宮でもあります。水の神さまに、新年のおうかがいをたてられる水占みくじもあり、こちらは当たると評判です。



ちなみに、貴船エリアは中心部と比べてかなり冷え込みます。1月の最低気温は連日マイナスになることもあるので、初詣の際は、手袋、帽子、カイロなど防寒対策を万全におでかけください。


毎年1月中旬から2月(2022年は1月15日から2月27日)の積雪時の土日限定で、夜間特別ライトアップが開催されています。幻想的な雪景色は、遠方にお住まいの人も足を伸ばしてぜひ見ていただきたいほど感動的!

【京都・京都市山科区/日向大神宮】
京のお伊勢さんで、心静まる新年を


「京の伊勢」と呼ばれる神社があるのをご存知でしょうか?京都最古の神社のひとつともいわれる、日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)です。
最寄り駅は東西線の蹴上駅。そこから住宅街のなかのゆるやかな坂道を上っていくと15分ほどで到着します。こちらの神社は、京都の初詣先のなかでもかなりの穴場的存在。神社の方にお話をうかがうと「並ぶことなくゆっくり参拝できますよ」と教えていただきました。


山の中にあるため、気温は低め。防寒対策をしておでかけください。

創建は、5世紀末ごろに在位した顕宗天皇の御世。古くから伊勢神宮のかわりに参拝されてきたことから「京の伊勢」「京のお伊勢さん」と呼ばれています。広々とした境内には、伊勢神宮のように内宮と外宮があり、内宮に天照大御神(あまてらすおおみかみ)、外宮に天津彦火瓊々杵尊(あまつひこほににぎのみこと)をお祀りしています。


外宮は伊勢神宮の建築様式を伝える神明造。

外宮、内宮と参拝したら、密かなパワースポットとして知られる場所にも足を運んでみましょう。ひとつめは天の岩戸。岩の穴をくぐった先には戸隠神社もあり神話の世界にふれることができます。この穴をくぐると心身の穢れが祓われ、開運・厄除けのご利益をいただくことができるといわれています。
もうひとつが伊勢神宮遥拝所。伊勢神宮は見られませんが、かわりに京都市中の景観が広がります。ここは、天智天皇陵、日向大神宮、平安神宮、京都御所が一直線上に並ぶ、京都屈指のパワースポット。天の岩戸から15分ほど上るので、歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。

日向大神宮の方からは、初詣の注意点も教えていただきました。まず、駐車場が5台程度と少ないうえ、神社までの道は非常に狭く、Uターンもできないため、電車で訪れるのがおすすめとのこと。境内はすいていても駐車場待ちの渋滞ができてしまうそうです。
また、この地区は水道がなく湧き水で生活しており、今年は水不足でポンプが故障したためトイレの利用はできないそうです。駅などでトイレをすませてから、神社に向かいましょう。
2022年はコロナウイルスの感染防止のために、ご祈祷は松の内があけてから予約制で受付されるそう。ご祈祷する場所が狭いため、安全を考えての対応だそうです。
厄除けのご祈祷をされる方は、少し遅めの初詣で、ゆったり静謐な「京のお伊勢さん」に参拝してみるのもよさそうですね。