1. 【青森・弘前市/岩木山神社】紅葉と常緑樹のコントラストが美しい
2. 【神奈川・伊勢原市/大山阿夫利神社】闇夜に浮かびあがるあでやかな紅葉
3. 【奈良・桜井市/談山神社】山全体が燃えるような紅色に染まる!
安寿と厨子王丸の伝説でも知られる岩木山。別名は津軽富士で、津軽平野のどこからでもその優美な姿を眺めることができます。古くから人々に親しまれ、崇敬されてきました。
秋を迎えると、岩木山のオオヤマザクラは色づき、老松の緑との美しいコントラストを見せてくれます。
紅葉の見頃は10月中旬〜11月初旬。例年の初雪は10月下旬から11月初旬なので、タイミングによっては雪化粧した山頂と紅葉を一度に楽しめます。そんな多彩なコントラストが、岩木山の紅葉の魅力のひとつです。
岩木山の麓には、津軽国一宮とされる岩木山神社(いわきやまじんじゃ)があります。麓にある神社の入口から見上げると、鳥居の向こうに色づいた岩木山がそびえる神々しい景色を楽しめます。御神体は岩木山そのもの。津軽の人々は古くから山にかかる雲の動きで天候の変化を予知するなど、生活のよりどころとして岩木山を信仰してきました。旧暦の8月1日には五穀豊穣の感謝と祈願のため、山頂付近にある奥宮へ集団登拝し、ご来光を拝む「お山参詣(おやまさんけい)」という伝統行事もあります。奥宮への参道は登山道のひとつです。
山頂からは360度見渡す限りの紅葉を楽しめます。徒歩での登頂には、どのルートを使っても4〜5時間かかりますが、展望台のある8合目までは車やバスでも登ることができ、そこから9合目まではリフトも運行されています。リフトから見下ろす紅葉の絨毯も、一見の価値がある美しさです。
標高1252mの高さがあるものの比較的登りやすく、登山初心者やファミリーにも人気の大山。かつては「あめふり山」とも呼ばれていました。相模湾の水蒸気の影響を受けて山の上に雲や霧が生じやすく、雨が降りやすいのです。そのため、古くから関東における雨乞い信仰の聖地として親しまれ、霊山として崇められてきました。源頼朝をはじめ多くの武将の崇敬を受けましたが、江戸時代には「石尊大権現(せきそんだいごんげん)」として庶民の信仰を集め、行楽をかねた「大山詣」も人気でした。
2200年以上前にこの山に創建された大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)の御祭神も、山と水の神さまである大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)、祈雨・止雨の神さま高龗神(たかおかみのかみ)、雷の神さま大雷神(おおいかずちのかみ)と、雨に関係する神さまばかりです。このうち大山祗大神は富士山の御祭神・木花咲耶姫(このはなさくやひめ)の父であることから、古くから富士山とセットでお参りする「両詣り」も盛んに行われてきました。
山の中腹に下社が、山頂に本社があります。麓から徒歩で登ることもできますが、下社まではケーブルカーを利用しても。山頂の本社へは、下社から90分ほど歩けば到着できます。中腹の下社からの眺めもすばらしいのですが、山頂は見晴らしがよく、秋には美しい紅葉が眼前に広がります。見頃は例年11月中旬から下旬。恒例の紅葉ライトアップもおこなわれます。期間中は大山ケーブルカーの夜間運行も行われるので、ライトアップされた紅葉とともに相模平野の夜景も満喫できます。下社の境内ではライトアップ期間中1杯100円でもみじ汁(豚汁)を提供。長時間紅葉に見とれて冷えた体もポカポカに温まります。
多武峰(とうのみね)の山中に佇むのが、藤原鎌足を祀る談山神社(たんざんじんじゃ)。中大兄皇子と藤原鎌足が大化の改新の計画を練った地であったことから「談い山(かたらいやま)」と呼ばれ、これが社名の由来になりました。
境内には国の重要文化財に指定されている建造物が多数点在。秋には約3000本ものカエデが鮮やかに色づき、歴史的建造物との美しいハーモニーを奏でます。
神社のシンボルは、木造で唯一現存する十三重の塔。どんなアングルで撮っても写真映えする、人気の撮影スポットです。近づいて下から見上げるように撮るのもよいですが、西入口付近から撮影するとバックの山の紅葉もしっかりと写せます。けまりの庭からの眺める山一面の紅葉も迫力満点です。拝殿の回廊に吊るされた燈籠越しに眺める紅葉も趣たっぷり。
例年11月中旬〜12月上旬が紅葉の見頃ですが、境内と周囲の山では標高差があるため時期が少しずれます。境内の紅葉が終わる頃、入れ替わるように山の紅葉が見頃を迎えるのです。2019年、11月9日〜24日の期間は、例年同様紅葉のライトアップが開催されます。夜の紅葉も美しいですが、朝日でキラキラと輝く紅葉もまた息を飲むほどの美しさです。
通常は西入口からしか入山できませんが、紅葉と桜のシーズンには正面入口からも入山可能に。正面入口から本殿まではまっすぐ続く140段もの長い階段を登りきる必要があります。