これだけは知っておきたい神社のこと・神社の情報・検索サイト 神社.com


特集 vol.194
招福ワンダーランド
浅草酉の市2017案内帖
毎年、東京台東区の鷲神社で開かれる関東最大規模の「浅草酉の市」。その楽しみ方を業界ツウに聞いてみました!

ツウは、縁起熊手に神社の熊手御守を差してダブル効果を狙うそう!

今年の酉の日は3回
福を求めて出かけてみよう


来る年の開運・商売繁盛などを願って鷲神社(おおとりじんじゃ)に参拝し、「福をかっこむ」熊手を手に入れるのが浅草酉の市。毎年、参拝客70~90万人が運を手に入れようと訪れるこの祭り。今年は一の酉が11月6日(月)、二の酉が11月18日(土)、三の酉が11月30日(木)と3回がおこなわれます。
浅草酉の市は毎年、午前0時から午後の24時までの24時間開催。神社周辺には、おいしいものが食べられる屋台が何百軒と出てお祭りムードも満点です。
酉の市を象徴する熊手は2種類。ひとつは、神社の札所で授与する御祈祷を受けた熊手御守。もうひとつは、境内にところ狭しと並ぶ熊手商の出店で購入する、縁起物の熊手です。御利益を求めて神社のものを求める人、熊手商との掛け合いや手締めを楽しみに、縁起熊手を求める人などそれぞれ。最近では観光客や、酉の市独特の雰囲気を味わいにカップルでやって来る人も多いようです。



今年売り出すパンダ熊手を手にする「白石商店」の白石勲さん。

酉の市でのひときわ異彩を放つ、八百代オリジナルの黒いだるま熊手。

今年ヒットする熊手は?
熊手商たちの創意工夫


浅草酉の市には100軒ほどの熊手露店が軒を連ねます。きらびやかな熊手が密集し、競うようにして店先に飾られる様子は目がくらむほど。熊手を扱う熊手商の方々は、個々の特徴を生かし、1年に1度の商いに勝負をかけます。
この道60年、置物熊手をはじめて売り出したヒットメーカーであり、酉の市の名物「ぶんか社」の世相熊手を手掛ける「白石商店」白石勲さんに話を伺うと・・・。「今年は新商品のパンダ熊手にかけているよ。ちょうど香香(シャンシャン)が生まれたし、浅草・台東区には欠かせない存在だからね」。何と、人がパンダに話しかけると、オウム返しでしゃべり返すパンダを仕込んだ珍しい熊手もあり! 招きネコ満載の熊手置物を大当たりさせた白石さん。新年は戌年なので、リアルなワンちゃんを升に詰め込んだ犬の縁起置物を考案。こちらもヒットの予感です。
そして、創業70年の老舗熊手商「八百代」では、黒い熊手・白い熊手が注目を集めています。カラフルでにぎにぎしいという、熊手の鉄則を打ち破る革新的な商品。「今年も黒い熊手の店、白い熊手の店、伝統熊手の店の3店舗を展開します。私たちはお客さんに喜び・驚き・楽しみを感じてもらいたいです。何より、浅草酉の市の盛り上がりに一役買えればうれしいです」と語ってくださったのは、八百代の大野嘉介さん。
キャラクターやフィギュア熊手、手書きの宝船熊手、桧扇熊手などなど、個性あふれる熊手の洪水の中から、あなたの運気を上げる一品を探し当ててください。
「神社の鳥居をくぐったら、お客さんには熊手を手に帰ってもらわなくちゃ。白石さんの熊手を買ったら、儲かったよーって言ってもらいたいね」と語る白石さんは、すでに来年の酉の市の新商品のことで頭がいっぱいのようです。



佐川急便台東営業所千束2丁目サービスセンターのみで取り扱っている、酉の市仕様の段ボール。

熊手の買い方
持ち帰り方


熊手には、値札がついていない場合がほとんど。まずは気に入った熊手を見つけたら「おじさん、これ勝った!(買った!)」と、勢いよく声をかけてみてください。「よっしゃ、負(ま)けた!」と返ってきて交渉開始。交渉が成立し、手締めをしたら熊手を高く持ち上げて帰ると、福をたくさんかっこめてよいとされていますが・・・この混雑だし、手が疲れるし・・・。 高く上げるのはともかく、電車での熊手の持ち帰りが面倒、会社や店舗に送りたいという人に朗報です。 鳥居前にある、佐川急便台東営業所千束2丁目サービスセンターでは、おかめのイラスト付き、酉の市仕様の段ボールで熊手の発送を受け付けています。サイズは小から大まで3種類。イラストなしの特大サイズもあります。 佐川急便広報部によると「佐川急便でも何か感謝の気持ちを込めたサービスはできないか、縁起をさらに担ぐことはできないのかと、営業所のスタッフが考案しました」とのこと。酉の市当日、営業所に貼られる「梱包・発送致します」の大きなポスターが目印です。 熊手は、毎年サイズを大きくしていくのがよいとされていましたが、最近の住宅事情などから小ぶりなもの、飾りやすいサイズのものが売れているようです。




昨年度の縁起熊手チャリティオークションの様子。

酉の市のお楽しみは
盛りだくさん


境内に入る前の見どころが、鳥居の前にあらわれる巨大熊手。隣のビルの2階相当の大きさです。「神社を守る福神講といわれる、崇敬会メンバーの若手が作る浅草酉の市の象徴。一の酉当日のお披露目までは布でおおっているので、この巨大熊手をいち早く見ようとやって来る人もいます」と教えてくださったのは、鷲神社の宮本さん。毎年変わる、工夫をこらしたデザインに注目です。
また宮本さん情報によると、熊手の買い方として、酉の市当日17:00から開催される、縁起熊手オークションに参加してみるのもおすすめ。「こちらでは露店よりもリーズナブルに熊手が手に入りやすく、しかも売り上げは全額、東日本大震災被害者のために寄付されます」。
また、現金5万円やホテル宿泊券が当たる酉の市クイズに応募し運だめしをするもよし、屋台で、縁起物の頭の芋(八頭)や切山椒をいただくのもよし、神社で酉の市の特別祈願を受けることもできます。
まさに鷲神社の浅草酉の市は、招福万来のワンダーランド。開運を引き寄せるために、とりあえず足を運んでみましょう!