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特集 vol.192
知ると面白い?
七五三の由来と各地の風習
子どもの健やかな成長を神社で祈る七五三。地域によっては、おこなう年齢や祝い方が少しずつ違うようです。

神社へ行って参拝し、氏子として認めてもらうのが七五三。

男の子の3歳祝いは
地域により違う


七五三とは、氏神の氏子となり社会人の一員として認めてもらう節目の行事。一般的には3歳の男女、5歳の男の子、7歳の女の子がおこなうものとされています。
この行事のもとは、宮廷や武家の儀式に由来します。
昔は3歳までの男女の赤ちゃんは丸坊主でした。3歳以降、髪の毛をのばしはじめる儀式が「髪置き」。そして、5歳の男の子がはじめて袴をはく儀式が「袴着」、7歳の女の子が帯を使いはじめる儀式が「帯解」でした。
袴着は、平安時代中期には3歳の男女でさかんにおこなわれていたと『源氏物語』や『栄花物語』に記されていましたが、江戸時代には武家の男子が5歳でおこなうものに変化しました。それが現在に残り、関東では男の子の3歳祝いを5歳でおこなう家庭が多くなっているようですが、地域によって違いがあるようです。
七五三は平安時代ごろを起源として、おこなう形や年齢・性別が、時代や階層によってさまざまだったため、それが広がっていく過程で、地域による違いにつながっていったとも考えられています。
いずれにしても、七五三の成り立ちには「子どもは7歳までは神さまのようなもので、人の子ではない」という考え方の背景があります。昔は7歳までの子どもは、病気や事故でいつ死んでしまうかもわからない存在で、魂が不安定とされていました。だからこそ、7歳まで育ったことへの感謝と7歳以降の無事と健康を神さまに報告し、祈りを捧げたのです。
※参考資料:小学館「日本人の春夏秋冬~季節の行事と祝い事」新谷尚紀著



神社への初穂料において、水引の結び方は厳密には決まりはないようです。

祝儀袋は関東では東京折り、関西では大阪折り。

水引の結び方
祝儀袋の折り方東西の違い


神社で七五三の御祈祷を受けたときに納める、初穂料。水引の結び方やご祝儀袋の折り方に、東西の違いがあることをご存知でしたか?
水引の結び方は、大きく「蝶結び」と「あわび結び」のふたつの結び方があります。本来、蝶結びはほどけやすい結び方で、何度あってもうれしい祝い事に。あわび結びはほどけない結び方なので、結婚祝いなど何度もあっては困る祝い事に使うのが一般的。
では、神社への初穂料はどうなのでしょうか?
水引の全国シェア7割を誇る飯田水引共同組合によると「厳密な決まりはなく、どちらでもいいと思います。しかし関西では、どのような御祝でも不祝儀でも、あわび結びを使うようです。祝儀袋のメーカーさんに聞いたところ、祝儀袋には東京折りと大阪折りの2種類があり、大阪折りの場合の水引は、必ずあわび結びをかけるのだそうです」というお答え。
それをふまえて調べたところ、祝儀袋などを扱う文具メーカー(株)ササガワ運営サイトによると


「現在の祝儀袋の様式のもとになったのは、鎌倉~室町時代のころに定められた宮中の儀式における礼法に起源があり、その礼法に定められた金品の包み方作法のひとつである「金子包み」という二重包みが原形となっています。(中略)
贈答習慣は江戸時代、明治時代と簡素化が進み、それにともなって二重包みが東西に分かれ、中包みの形状が関西折り(大阪折り)として西日本に、また外包みの多当折り(東京折り)が東日本に定着しました」

(ご贈答マナーhttp://www.zoto.jp/mame/kinpu.htmlより抜粋)


とのことでした。
何気なく使っていた祝儀袋や水引に、そのような違いがあったとは知りませんでした。
贈答の起源は、神道における神さまへの奉納品にあるというから、知ると納得。長い歴史があるのですね。水引、祝儀袋の折り方の違いは画像をご参照ください。



雪が積もる真冬の北海道神宮。

11月におこなう七五三
北海道では10月15日に


七五三をおこなう日程は、全国的には11月15日。これは江戸時代以降のことで、5代将軍・徳川綱吉の息子・徳松が、5歳の祝いをおこなったのがこの日だったという説や、11月の満月の日、稲の収穫を祝ったからなど諸説があります。
現在はこの日でなければならないということはなく、お父さんの休日や写真館での撮影日に合わせるなど、多少は前後するようです。
ただ、雪が降る北海道においては、七五三はそれよりも1か月早い10月15日の行事として定着しているようです。
北海道神宮(ほっかいどうじんぐう)によると「理由は、単純に寒いからです。昭和24年に、札幌市に北海道の神社関係者が集まって話し合い、決められました」。
10月15日ならまだ雪が積もる前なので、家族で慣れない服装で神社へ行くにも出かけやすいというわけですね。なるほど!




武士が陣中で羽織る陣羽織。熊本では、2歳の男の子に陣羽織を着せます。
※画像提供:きもの三条小町

熊本県は七五三二?
2歳男の子に陣羽織


熊本では3歳の前年、2歳に男女とも「髪置き」として成長を祝う風習があります。全国的には3歳を「髪置き」としますが、熊本では2歳を「髪置き」と呼び、3歳で「紐解き」という祝いをおこなうのだそう。
「熊本ではそのあとの男の子の5歳、女の子の7歳はあまりおこなわないのが特徴です」と、市内老舗貸衣装店、写真スタジオの方々は口をそろえてこうおっしゃいます。
加えて2歳「髪置き」のときに、男の子には陣羽織を着せる風習も熊本ならでは。
全国的には3歳男女はお宮参りの産着の上に被布、5歳男の子は紋付羽織に仙台平の袴を、7歳女の子は本裁ちの着物に、子ども用の袋帯を結ぶのが正式。
男の子は、熊本式では2歳で産着に陣羽織、3歳で羽織袴を着るそうです。
熊本、陣羽織と聞けば・・・長烏帽子(ながえぼし)をかぶった武将・加藤清正の姿を思い出してしまいますね。
熊本のこうした風習についてのいわれは、はっきりとした理由はわかりませんでした。




鹿児島市照國神社での、七草参りの様子。

鹿児島では
正月の七草祝も


2歳男女で成長を祝う風習がある熊本。いっぽう鹿児島では、七五三のほかに1月7日にも子どもの成長を祝う風習があります。
これは薩摩藩の時代から伝統的に続く「七草祝い」と呼ばれる儀式です。
七五三は本来、数え年で祝うものでしたが、現代は満年齢で祝うのが一般的。七草祝いは本来の数え年でおこなうもので、数えで7歳(満6歳)の男女が、七五三のときのような晴れ着を着て神社で御祈祷を受けます。
43歳で薩摩藩・藩主を受け継いだ島津齊杉(しまづなりあきら)が御祭神の照國神社(てるくにじんじゃ)では、毎年1月7日に「七草参り」をおこなっており、御祈祷のあとに七草粥の授与があります。「神社でお参りしたあと、重箱やお椀をのせた膳を持って近所の家を7軒まわり、七草粥をもらい歩くという風習でしたが、今はそれが難しくなっているようです」と教えてくださったのは、照國神社の神職さん。
神社では、一般的な七五三の御祈祷も受け付けているので数えの3歳、5歳を祝いつつ、鹿児島では七草祝いもおこなう家庭が多いようです。