これだけは知っておきたい神社のこと・神社の情報・検索サイト 神社.com


特集 vol.180
ご利益のある神社はどこ?
交通安全祈願〜北海道・東北編
春といえば、交通安全の季節。新生活がはじまるなか、毎日の無事を祈る願いを込めて交通安全祈願にでかけてみませんか?今回は北海道・東北で交通安全の御神徳が知られる神社をご紹介します。

札幌市街地の整備に尽力したのが佐賀藩士だった開拓判官・島義勇。境内には銅像も建っています。来年は蝦夷から北海道へと改名して150年を迎える記念の年となります。

全国でも珍しく、桜と梅が同時に咲く北海道神宮の表参道。エゾヤマザクラなど約1400本の桜、約250本の梅の木が花を咲かせます。

【北海道・札幌市中央区/北海道神宮】
開拓の安全・発展を
見守ってきた総鎮守


注意していても、つるっとスピンして電柱に激突・・・。
なんてことになるのが雪道での車の運転ですが、こと北海道の道は直線が長く、スピードを出しやすいため重大事故につながるケースが多く見られます。
注意してもしきれない事故こそ、神さまに御加護をいただきたいところ。
北海道、特に札幌周辺で交通安全祈願に人気なのは、札幌市中央区にある北海道神宮(ほっかいどうじんぐう)です。

北海道神宮の創建は明治2年(1869年)の近代になってから。明治天皇が「開拓三神」を祀るように詔を出したのが前身の札幌神社のはじまりでした。
開拓三神とは国を造る神さま・大國魂神(おおくにたまのかみ)、国土経営・開拓の神さま・大那牟遅神(おおなむちのかみ)、国土経営・医療・酒造の神さまの少彦名神(すくなひこなのかみ)。昭和39年(1964年)には近代日本の礎を築いた明治天皇を増祀し、御祭神が4柱になって神社名を現在の北海道神宮にあらためました。
原野開墾の安全を守る神さまとして、開拓者の精神的な支えとして創建された北海道神宮。
今では正月三が日に70〜80万人の参拝者が詰めかけ、交通安全はもちろん縁結びや厄祓いなどの御祈願に訪れる人が絶えない、北海道総鎮守の神社として崇敬されています。

北海道神宮が鎮まるのは、標高225m・円山のふもと。
周囲は原始林に囲まれ、お散歩するのにも絶好のロケーション。
春には梅と桜が同時に咲き、市内随一のお花見スポットとなるので、開花にあわせて交通安全祈願におとずれてはいかがでしょうか?



鹽土老翁神はこの地に残り、製塩法を人々に伝えたことが地名の由来になったともいわれています。

交通安全祈願のお守り人気ナンバーワンは、吸盤つきの交通安全(矢)。

【宮城県・塩竃市/鹽竃神社】
「しおがまさま」は
陸奥國一之宮の神さま


宮城県で交通安全の御利益があるとされているのは鹽竃神社(しおがまじんじゃ)。
平安時代は朝廷から篤い祀祭料を授かっていた陸奥国最大の社で、地元では「しおがまさま」と呼ばれ親しまれています。

御祭神は、航海・潮の満ち引き・海水の成分を司る東北鎮護・海上守護の鹽土老翁神(しおつちのおじかみ)。
社伝によれば、東北平定のため、鹿島神宮(茨木県鹿島市)・香取神宮(千葉県香取市)の神さまの道案内役として、シャチに乗って海路を渡ってきたといわれています。
鹿島・香取の神さまは、その後役目を終えて無事に帰ったことから、海上安全とともに交通安全の御利益があるとされてきました。

神社は小高い一森山の上に建ち、本殿背後に塩釜湾を臨みます。境内には300本以上の桜の木があり、お花見スポットとしても知られています。
神社では年間3600〜3700台の車両の安全祈願がおこなわれるほか、塩釜の地らしく港へ出向いて船の出張祈願もおこなっています。
交通安全の御祈祷を受ける人は、第一駐車場と池の間の神社へ続く参道を奥へと進み、車祓い所へ車を止めてください。受付をすませて本殿で御祈祷をしたあとに、車祓い所でお祓いを受けます。



交通安全祈願は年間1000台近く。真っ赤な鳥居前で受付し、拝殿正面で車祓いをおこないます。

拝殿正面の鳥居。「うとう」という鳥は、予知能力を持ち神々より与えられた神意を伝えるといわれています。

【青森県・青森市/善知鳥神社】
道中安全の神は
宗像三女神


青森の総鎮守として、交通・海上・航空安全祈願に訪れる人が多いのが、青森市にある善知鳥神社(うとうじんじゃ)です。
神社のはじまりは、奥州陸奥之国外ヶ浜鎮護の神として宗像三女神を祀ったことから。青森市がまだ善知鳥村と呼ばれていたころです。
宗像三女神とは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と須佐之男命(すさのおのみこと)の誓約によって生まれた多紀理毘売命(たぎりびめのみこと)・市寸嶋比売命(いつきしまひめのみこと)・多岐都比売命(たぎつひめのみこと)のこと。
道中安全の神さま「道主神(みちぬしのむち)」とも呼ばれ、『日本書記』によると、天照大御神の御神勅により大和の国を拓く道を作るとき「天孫の皇室をお助けし、よくお祀りせよ」との言葉を下されたと書かれています。
境内は、うとう沼に囲まれた水辺の景色が美しいロケーションで、散策にもぴったり。
本殿裏手には、海や水関連の仕事繁栄や安全、商売繁盛の御利益で知られる龍神水が湧き出ており、訪れる人が絶えないスポットになっています。