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特集 vol.176
一度は行きたい
人気の節分祭
豆撒きだけじゃない、さまざまな魅力あふれる神社の節分祭をピックアップ。厄を払い、健やかな1年を迎えるために、節分祭へでかけてみませんか?

平安時代の宮中の伝統を伝える追儺式。

こちらが1年の厄を封じ込めてくれる厄塚。

【京都・京都市左京区/吉田神社】
都に春を告げる
京都の一大行事


節分前夜の2月2日18時。境内に鬼の絶叫が響き、吉田神社(よしだじんじゃ)の追儺式(ついなしき)がはじまります。
登場する鬼は、赤・青・黄の三匹。それぞれ、怒り・悲しみ・苦しみを、仕草や声で表現します。胸を打つ迫真の演技に、観客も静まりかえります。
吉田神社の節分祭は、昔から京洛の一大行事といわれてきました。節分の前後3日間にわたってさまざまな神事がおこなわれていますが、特に印象的なのがこの追儺式。
追儺式とは、平安時代初期から宮中でおこなわれていた行事で、悪神である鬼を払うことで、不幸を除き、幸福と平和な生活を願う意味が込められています。吉田神社では、平安時代に宮中でおこなわれていた様式を取り入れ、厳格に守り伝えてきました。
三匹の鬼は、陰陽師が祭文を奏し終えたのち方相氏に追い払われ追儺式は終了します。

節分祭の期間中、大元宮の正面に立つ厄塚(やくづか)も吉田神社ならでは。
厄塚は、台の上に縄を巻いた棒に、神殿正面から伸びる八筋の注連縄を結んだもの。その形は、尾を立てた龍を模したともいわれています。自分の名前や年齢を記した紙に賽銭と豆を包んで納め、厄塚に触れることで厄を塚に封じこめ、今年の福を授かると信じられてきました。
厄塚が立つ大元宮は、全国の八百万の神々を祀るという、大変ありがたい社。そして、本宮第一殿・第二殿の御祭神は「諸々の災難より逃れ幸福を勝ち取る厄除・開運の神」とされているので、節分に邪気を祓うのにぴったりです。
帰る前には、「抽選券付き厄除け福豆」200円をいただくのも忘れずに。例年旅行券や車、ハイビジョンテレビなど豪華な賞品が当たることから大人気。抽選会は2月4日におこなわれ、当選番号はホームページでも公開される予定です。



福々しいおたふく面をくぐり抜けて境内へ。

能舞台から年男・年女、地元の知名人が豆を撒きます。

【福岡・福岡市博多区/櫛田神社】
日本一のおたふく面が
お出迎え


江戸時代末期から盛大におこなわれている櫛田神社(くしだじんじゃ) の節分大祭。
毎年日本一巨大なおたふく面が登場します。
その大きさは、高さ5.3m、幅5m!
もはやお面の大きさではありません。
おたふく面は楼門、北神門、南神門の3つの入り口に設置され、大きく開いた口を通り抜けて境内へ入ることになります。それぞれの門で顔が違うので、好きな表情から入るのもよさそう。くぐりぬけることで、商売繁盛や家内安全のご利益があるといわれています。
おたふく面が置かれるようになったのは1961年。以来毎年、氏子さんたちの手により設置されてきました。
豆撒き・宝撒きは、10時から16時のあいだ30分ごとに開催。福を授かろうとする人々で賑わいますが、回数が多いので時間を選ばず参拝できるのがうれしいところ。
節分大祭だけの縁起物も授与されます。熊手の内側におたふく面を取りつけた福寄せや、福をすくい取る柄杓形の福寿久井(ふくすくい)を持ち帰って、1年間福を集めるのが博多っ子の慣わしとなっています。


東京の節分祭は、芸能人や力士の豆撒きで華やか!


京都、福岡と西日本の節分祭を紹介してきましたが、東京の節分祭も見逃せません。
東京の節分祭の魅力はなんといっても著名人が豆撒きに登場すること。
2017年の節分祭情報の一部を拾ってみると、江東区の富岡八幡宮(とみおかはちまんぐう)のゲストはみのもんたさん、テリー伊藤さんなど、テレビで見かける芸能人がズラリ。
日枝神社(ひえじんじゃ)は清國勝雄さん、琴奨菊関、琴恵光関と現役からかつて名を上げた方まで力士がお目見え。さらに、女優の真矢ミキさん、お笑いタレントの岡田圭右さんの娘でモデル・タレントの岡田結実さんも登場するので、華やかな豆撒きになりそうです。
府中市の大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)のゲストは、いまもっとも注目を集める横綱稀勢の里寛関。あの堂々とした体躯から投げられた豆をいただければ、運気のお裾分けにあずかれそうです。
一番の注目は、神田明神(かんだみょうじん)。秋葉原駅周辺が氏子地域であるご縁からかつてはAKB48も登場。現在もAKB48のメンバーが成人式をおこなうことから、節分祭は秋葉系アイドルの登竜門とも見られてきました。
どんなゲストが登場するのかは、未公開。
でも大江戸八百八町の守り神の節分祭は、今年も賑やかなものになりそうです。