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特集 vol.148
2016年は申年!
猿にゆかりの神社で初詣@
申年にちなんで、初詣は眷属として猿を祀る山王信仰の神社へ。厄年の人や勝負に出たい人、旅行に行く人におすすめです!

「魔が去る(猿)」と伝わる、「神猿さん」って?


神社の中には、特定の動物を眷属として祀っていることがあります。
稲荷信仰の神社はキツネ、春日大社(かすがたいしゃ)は鹿、そして山王信仰の神社は猿が眷属とされています。
比叡山の滋賀県側のふもとに鎮座する日吉大社(ひよしたいしゃ)は、全国約3800社といわれる山王信仰の神社の総本宮。
創祀2100年余という大変な古社です。
猿が眷属とされたのは、もともと比叡山にたくさんの猿がいたのがはじまり。
平安京の表鬼門に位置していた日吉大社は、都の魔除け・災難除けの神さまとして崇敬を集めていました。
このことから、いつしか魔除けの象徴として猿が大切にされるようになり、「魔が去る」「勝る」に通じるよう「神猿(まさる)さん」と呼ばれるようになったのです。


日吉大社の境内は約40万u。国の史跡に指定されています。

かわいすぎる神猿みくじ。ピンときた顔をひくのがよいそう。

日吉大社の神猿さんに
ご加護を願って


日吉大社の境内では、あちこちで神猿さんが見られます。
西本宮楼門屋根の四隅の彫刻や東本宮の参道にある猿の顔に似た猿岩、さらに社務所前には猿小屋があり、本物の猿も二匹飼育されています。
この猿小屋は、室町時代から変わらない位置にあって、その当時からずっとお猿さんが飼育されているそうです。
旅行・引っ越しの方除けや厄除け、必勝・合格を願って、境内の神猿さんを巡るのも楽しそう。
おみくじや、御守り、土鈴、絵馬など神猿さんの授与品もバラエティ豊か。
2016年に魔が去ることを願いたい人は、ぜひ見てみてください。



日吉大社の山王鳥居。鳥居上部の三角の屋根は合掌がモチーフ。

山王信仰の神社は
どこにある?


山王信仰の神社は、ほとんどが日吉神社や日枝神社、山王神社というような名前です。
北は青森から南は鹿児島まで、ほぼ全国に山王信仰の神社があるのでご安心を。
有名どころでは、旧官幣大社で東京・千代田区にある日枝神社(ひえじんじゃ)や、旧県社の社格だった富山・富山市にある日枝神社、岐阜県神戸町にある日吉神社(ひよしじんじゃ)などがあります。
初詣へでかけるときには、山王信仰にも注目してみるとよいかもしれません。
山王信仰は仏教との結びつきが強いのが特徴です。
山王とは、日吉大社の神々のこと。
比叡山に延暦寺を開いた最澄が、中国天台山の神さま「山王元弼真君」の名にちなんで、比叡山の地主神を「山王」と呼んだことに由来しています。その後、山王は延暦寺と天台宗の守り神としても信仰されるようになりました。
この特徴があらわれているのが鳥居の形。
鳥居上部に三角の屋根が乗っている日吉大社独自の形で、山王鳥居と呼ばれています。
三角の屋根は、手と手を合わせた合掌の形をモチーフにしており、神さまと仏さまが同一であることをあらわしています。
分霊されている各社にも同様の鳥居が多いので、チェックしてみてください。