小野照崎神社(おのてるさきじんじゃ)が鎮座するのは、下町・入谷。
昭和の町並みの中におしゃれなカフェや老舗が点在する、お散歩が楽しい町です。
御祭神は、小野妹子(おののいもこ)の子孫で平安時代初期の官僚だった小野篁公(おののたかむらこう)。
学問はもちろんのこと、漢詩・和歌・絵画・書に秀で、流麗な平安文化の礎を築いたことから芸能・学問の御神徳が伝わっています。
この御神徳を頼って、駆け出しのころの渥美清さんが願掛けしたのは有名な話。
友だちに「本当に何かを手に入れたければ、何かを手放すべき」と言われたことから、小野照崎神社で「一生タバコを吸わない代わりに仕事をくださいと」願掛けをし、その後すぐに『男はつらいよ』の主役・寅さん役のオファーが来たそうです。
この逸話が広まるにつれ、「大切なものを絶って願掛けをする」人が続出。
芸能界を志す人に特に人気があるとテレビやネットで伝えられていますが、取材当日もタレント志望風のスタイル抜群でかわいい女の子たちが真摯にお参りする姿を目撃しました。
夢をかなえたい人は、“寅さん”にならってみてはいかがでしょうか?
「願いをかなえてくれる猫神さまがいるらしい」。
そんなウワサの発信源が、徳島県に鎮座する王子神社(おうじじんじゃ)。
美術館や博物館のある徳島県文化の森総合公園の敷地内にあり、合格・学業成就の御神徳が知られています。
「猫神さま」と呼ばれる由縁は、約300年前にあった「阿波の猫騒動」にあります。
お松さんという後家が財産をだましとられたのが事の発端。お松さんは、だました人を許せず直訴しますが、当時直訴は死罪になる大罪。死を覚悟して訴えたものの、悪人が裁かれなかったのでしょうか。処刑される前に、愛猫お玉に報復するように言い含めたため、化け猫になったお玉による祟りが続きました。そこで、祟りをしずめるために当地の王子神社にお松さんとお玉の霊を合祀することになったのです。
ちょっとゾクゾクするようなお話ですが、このことによりいつの間に「願い事をかなえてくれる猫神さん」として崇敬を集めるようになったとか。
御祭神には、天津日子根命(あまつひこねのみこと)、に続いて「お松大明神」、そして猫のお玉も「お玉大明神」として祀られています。
境内の拝殿左側には、お松さんとお玉の荒魂(あらみたま)をお祀りする境内社と「さすり猫さん」があります。「さすり猫さん」をさすりながら住所、氏名、願いごとをとなえると、願いがかなうとも伝えられています。
境内には神使(しんし)のような本物の猫たちの姿もちらほら。人なつっこい看板猫たちと触れ合って大願成就を願ってみましょう。
「心を込めてお参りすれば、願いは必ずかなう」。
そんな心強い御神徳が伝わるのが、播磨灘にのぞむ高砂市に位置する鹿嶋神社(かしまじんじゃ)。
一願成就、合格祈願の神さまとして知られ、初詣でも多数の参拝者を集めています。
鹿嶋神社の御祭神は、日本神話の「国譲り」の段で活躍した「武道の神」武甕槌命(たけみかつちのみこと)と経津主命(ふつぬしのみこと)。戦国時代に武将が必勝祈願に立ち寄った伝承から、一願成就の霊験が広まり崇敬されるようになりました。
鹿嶋神社の願掛けは、御堂の周りを年齢の数だけ廻る「御堂廻り」。
入口にある竹の棒を歳の数だけ持ち、本殿の周りをめぐり1周するごとに奉納箱に入れていくというもの。
ただ廻るのではなく、「心身から一切の邪念不浄を絶ち、ひたすらに神の恩頼を祈るならば」願いがかなうと言われています。
本殿の周りには、千羽鶴や絵馬がすき間なくかけられ、たくさんの人の願いを目の当たりにすることができます。志望校への合格祈願、就職、手術の成功など、願いはさまざま。
毎年、1月の最終日曜には学神祭もおこなわれ、合格を願う受験生たちに人気の初詣スポットになっています。