四方に建てる青竹、しめ縄で結界を作ります。
知ってる? 地鎮祭の意外な必要性
近ごろ個人宅の新築現場では、地鎮祭を行うか悩む方が多いようです。「お金がかかるなら、その分を新居にかかる費用に回したい」そんな気持ちになっているのかもしれませんね。地鎮祭とは、氏神さまと呼ばれる土地の神さまに、その地の使用許可をいただき、工事の安全を願う祭事。敷地内に青竹などで結界を作り、「降神の儀」で神さまに降りていただき神事を行います。 30代で家を建てたHさんは、「神聖な儀式を経ていよいよ家を建てることが実感として湧いてきて感動した」とおっしゃっていました。また、安全に工事をしたいという職人さんのために地鎮祭を行う方もいるようです。家は大勢の方の協力で建てるもの、地鎮祭に興味のない人も、職人さんの希望を聞いてみてもいいでしょう。 さらに、千葉県で地鎮祭を800件以上手配してきた大手ハウスメーカーの現場担当Oさんによると「地鎮祭は建築現場の担当者と施主の顔合わせの場にもなっています」とのこと。工事が始まれば、現場を見学に行く機会も増えるはず。大切な新居の建築を担当される方々と、円滑なコミュニケーションを取れれば、工事も円滑に進行されそうです。
気になる費用は おいくら?
では、実際のところ地鎮祭の費用はいくらかかるのでしょうか? 現在の地鎮祭は、ハウスメーカーや工務店が手配するのが一般的。手配先によっては、はっきりした金額を知らせてもらえない場合があり、金額に迷うことがあるようです。 Oさんからは「当社の私の担当エリアでは、玉串料3万円、竹やお供えものの手配料が5千円のみです」と教えていただきました。一方で、玉串料に加え、神職へお車代として3千〜5千円、職人さんへも1人3千円〜5千円のご祝儀を渡す地域もあるようです。 結論としては、費用は地域により異なるので「郷には入れば郷に従え」で、地域の平均的な金額を準備すれば間違いがないようです。 金額に迷う場合は担当者へ「この地域の方は、どれくらいの金額をお支払いしていますか?」とはっきり聞いてみるのがよいでしょう。
段取りはお任せでOK。 とはいえ思わぬ落とし穴も
ハウスメーカーや工務店が地鎮祭を手配してくれる場合は、手ぶら参加でOK。「ご低頭ください」「お直りください」という神主さんの指示どおりに進行すれば、式も滞りなく終わります。 ただOさんによると、知らないうちにミスしてしまうシーンもあるとか。特に間違いやすいのが神前式でも行う玉串奉奠(たまぐしほうてん)という儀式。「時計回りに玉串を回し、根本を正面にして供えるのがしきたりですが、知らない方がかなりいらっしゃるようで・・・」とOさん。回す方向や向きを間違えたために神さまが怒るわけではないと思いますが、ここは大人の常識としてしっかり抑えておきたいものです。
施主が主役になる鍬入れ。恥ずかしがらずに大きな声を出して行いましょう。
鍬入れの声が大きいと 良いワケは・・・
もう一つ重要なのが、施主が土に鍬を入れる「鍬入れ」。「エイ、エイ、エイ」という声を上げながら鍬をふるうのが慣わしですが「恥ずかしがらずに大きな声を出す方がよいでしょう」というOさんを始め、建築事務所に勤務するHさんも「力強く、落ち着きのある発声だと安心できます」と仰っていました。 鍬入れは、実は建築現場の方から施主がどんな人物か見られるポイントにもなっているようです。 最後にOさんからは、服装についても教えていただきました。「個人宅の地鎮祭はカジュアルな服装の方が多いですね。ジーパンでもOKですが、神事なのでカジュアルなクールビズ程度のスタイルがおすすめです。また、土の上に立つので足下は要注意。雨のあとはぬかるんでいることもあるので、長靴を用意した方がよいでしょう」とのことでした。 一生に一度あるかないかの行事ですので、服装と心構えは準備万端に。ぜひ前向きに参列してください。
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