神社ではたいてい「お札」や「お守り」を授与しています。
両方とも神職が神前でお祓い・祈祷したうえで授与しているので、
神さまの御分霊と考えられます。
形は様々で、神さまの名前や姿を記したものもあれば、狐、鴉、
蛇など神さまのお使いとされる動物を記したものもあります。
また、記号や絵などを記したものもあります。お札・お守りの
目的は祈願。内容は商売繁盛、家内安全、無病息災、学業成就と、
じつに多岐にわたります。
ところで、お札・お守りには正式名称があることをご存じですか?
お札は「神札」(神符とも)が正式名。お守りは「守札」が正式名です。
両者を「護符」と総称します。これらの護符は、日本古来の信仰と外来宗教の風習が
合わさることで生まれました。日本古来の信仰とは「霊物は身を守る」とする
考え方になります。霊物とは神の力が宿ったモノのことで、御神木の葉とか剣とか
色々ありますが、これらは神の力を宿しているので、所持したり身近に置いておけば、
災厄から人間を守ってくれると考えられていました。
外来宗教とは道教のことです。道教は中国の民衆宗教です。道教では寺院が発行する
護符(呪符、霊符、秘符などさまざまな呼び名がある)を貼り、災厄をのがれるという風習が
一般的でした。この道教の風習が、日本古来の信仰と合体し、新名・御姿・記号などを
記した「お札」「お守り」が生まれました。